F14 トムキャットとは、アメリカ海軍がかつて保有していた艦上戦闘機のことです。1960年代当時の主力戦闘機であったF4ファントムの老朽化が目立っていたことから、次世代の主力戦闘機になることを目標に開発が行われた機体です。
F14 トムキャットは冷戦時代に対峙していたソ連軍が保有する戦略爆撃機による、大型ミサイルの飽和攻撃戦術に退行することを前提に設計されており、長距離爆撃機を遠距離から迎撃するための防空戦闘機に特化した仕様を採用しています。これは攻撃機に対する要撃機としての性能を重視していることを意味し、格闘戦を重視しているF15やFA18等とは異なる設計思想の元に開発された戦闘機と評価されています。
愛称はトムキャットとなっていますが、これは同機が採用している可変翼の動きが猫の耳の動きに似ていることに由来しているそう。当初の愛称はシーキャットだったとされていますが、同機の開発を強く支持していた当時のトム・コノリー海軍中将にちなんで、トムの猫という意味でトムキャットが定着しました。
また数多くの戦争や軍隊を舞台にした映画作品でも登場しており、トップガンでは一躍有名になっています。トム・クルーズ演じる主人公のビート・ミッシェルを始めとしたアメリカ海軍戦闘機パイロットの搭乗機として、物語全般に登場します。
映画で注目されることから、F14 トム キャットをスケールモデルにしたF14 プラモデルも根強い人気を誇っており、最近でも頻繁に新金型が採用され、モデルチェンジがされてきました。
日本国内の模型メーカーが製造販売しているプラモデル F14では、タミヤとハセガワが代表的です。タミヤもハセガワも、F14 プラモデルでは1/72・1/48・1/32などの飛行機モデルでは標準仕様のサイズで開発販売がされていることからも、現在でもアメリカ海軍戦闘機のアイコンとして幅広いプラモデラーから人気を集めていることが窺えます。
タミヤは新規開発も続けながらも、部品同士の合いの良さや組み立て安さ、美しいプロモーションなどの特徴があります。他方でハセガワは部品同士の相が若干異なることから、組み立ての難易度は上がりますが、ディティールアップパーツが附属する豪華キットなども頻繁に新規開発しています。
ちなみにF14 トム キャットはベトナム戦争末期に実戦配備が開始され、湾岸戦争までは実践には散発的に投入されるだけでした。しかしその後は地上攻撃能力も付与されたことで、2001年のイラク戦争やアフガニスタン戦争では地上攻撃に投入され戦績をあげています。