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モデル用クリア塗装の説明

プラスチックでできたモデルの仕上げには、クリア塗装を施す場合があります。文字通り透明な塗料を使用するため、色を変えるのが目的ではありません。基本的には霧状にしてモデルに吹き付ける形で、最初からスプレー缶タイプで市販されているものを使用する他、自分で希釈したものをエアブラシで吹き付けるという手もあります。

大きな目的のひとつとしては、モデルの表面の保護が挙げられます。プラスチックモデルに何らかの塗料を乗せた後、そのままの状態で放置しておくと、塗料が空気に触れることで変色する恐れがあります。そこで透明な塗料でカバーして、色が付いた塗料が空気に触れないようにしておくわけです。

そしてクリア塗装をすると、モデルの質感が変えられるというメリットもあります。プラスチックモデルはそのままだと、光沢のある見た目です。その光沢はモデルによって安っぽく見えたり、忠実ではない見た目に仕上がってしまう恐れがあります。そこで使用されるのが艶消しやサテンと呼ばれるタイプの塗料で、光の反射を分散させることでマットな質感にできます。特に金属に近い素材を模したモデルの場合、艶消しの塗料が積極的に用いられます。その艶消しの効果は、下に塗料がない状態でも働きます。そのため特に色を変えることはしないけれども、艶消しだけはしておくという人も大勢います。さらに塗料次第では、マットな仕上がりになってしまう場合があります。そこで新車の自動車のような光沢が必要だった場合も、クリア塗装が施されます。

また本格的なプラスチックモデルを作る際には、デカールというシールを使用することがあります。細かな文字やレイアウトなど色々な種類がありますが、それが剥がれないようにするのも、クリア塗装を施す理由のひとつです。モデル本体の表面と一緒に、デカールもまとめてコーティングして、剥がれにくくなる形です。

そんなクリア塗装で使用される塗料には、素材によって色々な種類があります。定番なのはアクリルやエナメルで、危険度が低くプラスチックとの相性も良いです。基本的には色を変えるタイプの塗料と同じで、違うのは透明である点くらいです。そして塗料の素材は慎重に選ばなければなりません。特にラッカー系の塗料は、アクリルやエナメルを溶かしてしまう性質があるため、仕上げとして使用できる場面が限られます。その他にも特定の素材には相性が悪いなどがあるため、何も考えずにただ吹きかけてしまうのは危険です。